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白雪姫をさがせ? HAPPY HALLOWEEN PARTY 【RD】 


2008.11.16
Sun
23:58

  SSなど

「直感少女」エピ&朝乃さんのナイスネタからヒントを頂いた、ハロウィン話です。
ありがとうございますー!


しかし一発ネタだったのに、びっくりするほど長くなってしまい
」をやらかしてしまいました…ペース配分がおかしいよ私!

という感じで完全に自己満足の産物です、すみません。
そのほかの注意点としては>

・久島いじりが、だいぶひどいです。
・時間的には50年+α前で、久島もまだヒラの頃という設定です。
・それもあって、今回はカプ要素が限りなくゼロに近いです。
・オリキャラは出してませんが、わりとモブがでばっています。
・無理やり女性キャラを出しちゃいました。
・そもそも、タイトルを見ただけでネタが割れる程度の内容しかありません…

以上が我慢できる、という方のみりあるどら~いぶ☆をお願いします↓



恒例行事となりつつある一般開放日を明日にひかえ、
電理研では常と異なる種類の緊張感が充ちていた。

独立行政法人といえば聞こえはいいが、未だ創設から間もなく組織基盤は脆弱だ。
広く研究の意義を知らしめ外的環境を整えるためには、近隣住民や学生への働きかけも
今後につながる重要事だというのが職員の共通認識なのだから。

「──それでは皆さん、今年の『電理研まつり』のテーマを発表します!」

今日ばかりは定時で作業をきりあげた面々が大会議室に集まったところで、
担当役を引き受けた女性陣の代表がマイクへ声高らかに宣言する。

「……おい、いつから祭になったんだ? 研究発表を兼ねた一般開放日だろう」
「さあ……? でもたしかに文化祭っぽい内容だよな、言われてみれば」

こちら側に顔を向けている彼女たちの妙に高揚した雰囲気にも違和感を覚えて
ちょうど隣にいた波留へ疑問をぶつけてみたが、いなされてしまう。
それどころか、ちょっと面白そうじゃないかなどと返され、久島は二の句が継げなくなった。

「えー日にちも近いことですし、今回は『ハロウィーンパーティー』でいきたいと思います。
 ……まあ厳密に言うと過ぎちゃってるんですが、そこはそれ。日本人らしさの表れということでご勘弁ください」
「というわけで、お集まりの職員の皆さんは全員こちらのクジをひくようにお願いします」
「明日は、ひいた紙に書いてある扮装で祭に臨んでもらいますからね。
 もちろん空クジはなしですよー」

いったいどんな打ち合わせの末なのか、流れるようによどみない進行のもと
事態はどんどん手のつけられない次元へと進んでいく。
いつのまにか、クジをひくための長い列まで出現している始末だ。
───つまり、このために結託していたのか?
率先して「開放日担当」に手を挙げた女性たちを久島としては
いくぶん訝しんでもいたのだが、こんな企みがあったと知れてようやく腑に落ちた。

「とはいえ、クジをひかないことにはここから出してもらえないようだしな。
 おとなしく並ぶよりほか、手はないということか」
「だな。後ろの扉は厳重封鎖されてるし、仮装パーティー計画に乗るのがお利口ってことだ」

わざとらしく目配せしあいながら、2人して最後尾につく。
前方では、とんでもない役をひき当てたらしい不運な輩が阿鼻叫喚の騒ぎを繰り広げている。
肩をすくめた波留が、笑い含みに耳打ちしてきた。

「……なんだか、早めに並んどけばよかったような気がしてきた」
「はずれクジに当たる確率は、何度目にひこうと変わらん。基本だぞ」
「そりゃ理屈では解ってるけどさ。感覚的には違うように思えるんだよなあ、こういうときは」
「───ハル、見てみろ。どうやら仮装道具の一式は準備済みらしい」
「ほんとだ。至れり尽くせりだな、こりゃ」
「まったく。こんなところでも、ウチの女性陣は優秀だよ」

軽口をたたきあううち、こんな趣向に乗ってみるのも
一興かもしれないと久島の気分も上向いてくる。
なにより「市民の皆様にも親しみやすい電理研」を目指すなら、
ハロウィーンパーティーというのは方向性として至極真っ当とも言えるのだ。
口ではあれこれ文句をこぼしつつも男たちが協力的なのは、
そのあたりを弁えているからかもしれない。

───いや。
単に、お祭り好きなだけかもしれないが。
なにしろ組織と同じく、職員も総じて若いのだ。
波留言うところの文化祭っぽさに触発され、たちまち学生気分が
甦ったとしても不思議はないほどに。



ようやく自分の番になり、促されるままクジをひいた久島は
開いた紙に書きつけられた3文字を目にするやいなや、
視界がブラックアウトして思考はホワイトアウトするほどの衝撃を受け立ちすくんだ。

「なに固まってんだよ、久島?」

あまりに驚いていたせいで反応が遅れ、能天気な声の主に問題の紙切れをさらわれた。
さらに、続く素っ頓狂な叫びを封じることも失敗してしまう。

「うわ、白雪姫ぇ!?」
(最悪だ……)

久島は思わず天を仰いだ。どうしようもなく、眉間に力が入る。
だが。激烈な形で来るものと覚悟した周囲の反応が、なぜか薄い。
というよりも、無に等しい。

「……なぜ、君たちまで黙るのだ」

この企画の張本人であるはずの担当役たちが、互いに顔を見合わせては
様子を窺うように視線をさまよわせるのを、腹立ちまぎれに指摘してみる。

「いえ、だって……もともとそれは、ウケ狙いのつもりで用意してたから───」
「ねえ? なるべく面白い方向に持っていこうと張りきってたんだけど……」

───まあ、それはそうだろう。
宴会芸やら仮装イベントにおいて、女装はある意味定番だ。
それも美を競うというよりは、どう見ても無理のあるむくつけき女っぷりで
笑いを取るのがたいていだ。

なにも今更、ご丁寧に説明されるほど自分は世間に疎くない。
そう念押ししようと久島が口を開きかけたとき、またもや思ってもみない発言が飛び出した。

「でも。久島くんがやるんなら、むしろ違う方向に頑張ってみちゃおうかなあ」
「洋子くん……?」
「やっぱり!? 実は私も、そう思ってたんだ」
「あの、久島さんっ。絶対キレイに仕上げてみせますから……!」
「プッ、ウハハハハ!」

なにやら理解できない領域に突っ走る彼女たちのはしゃぎ声に気圧されて
制止するタイミングを逸していると、たまりかねたらしく波留が盛大に吹きだす。

「なんかすごいことになってるけど、『電理研まつり』を盛り上げることが大事だからな。
 しっかり協力しろよ、久島」
「おいこら、ハル!」
「やったあ! 波留くんのお許しも出たし、それじゃ作戦会議しよう」

───ちょっと待て。
気合いを入れた女装をさせるという許可なら、まず当の本人に取るべきではないのか。
そう、作戦(?)を練るのに夢中の円陣へ切り込もうと窺っていた久島の肩が叩かれる。
思わず振りむいた先には、友人の神妙な顔があった。

「久島、諦めが肝心だぞ。あれはもう、止められそうにない」
「おまえは単に面白がってるだけだろう」
「バレたか」

あっという間に真面目くさった仮面がはがれ、ぺろりと舌を出す。
いつもながら心底怒る気になれそうにない愛敬があふれており、なんともいまいましい。

「───しかし、この騒ぎでクジびきがすっかり滞ってるぞ」
「いいんじゃないのか? みんな、こっちのほうに興味津々みたいだし」
「もとはといえば、おまえがあんな大声を出すから!」
「いやだって、あんまりビックリしたからさあ」

くつくつと思いだし笑いを始める男のゆるんだ頬をつねってやる。

「いててて、なにするんだよ!」
「自分の胸に手をあててみるんだな」
「はいはい、お2人さん。とりあえず落ち着いて」
「それと久島くん、ハイこれ。ちゃんと書いてあるとおりにしてね」
「メイクはもちろん私たちに任せてほしいけど、やっぱり土台は大切だから!」
「よろしくお願いしますー」

作戦会議を終了させたうちの1人から久島に、紙袋が渡される。
小ぶりだが重みのある袋には、何本もの瓶が詰まっていた。

「……なんなんだ、これは」
「なにって、コスメですよ?」
「中に入っているメモのとおりに、お肌のお手入れをしてちょうだい」
「それから、今日はなるべく早めに寝てね!」
「…………」

もはや言い返す気力すら湧かず、結局久島は基礎化粧品満載の袋を提げて帰るはめになった。
今までさして気にも留めなかったが、実はクジ運が悪かったのだろうか……
などと埒もない考えまでが頭に浮かび、憂鬱でしようがない。
それなのに、渡されたメモの指示に従って化粧水だのクリームだのを
諾々と塗ってしまう自分は、いっそ滑稽だった。

(いやいや、これも電理研広報活動の一環だ! ……おそらくは)

ほとんど自棄になって自己暗示をかけると、その夜彼はかなり早く床についた。





翌朝。
芝居の楽屋めいた態をなす職員控え室へ足を踏み入れた久島は、
昨日のテンションを保ったままの女性陣にさっそく取り囲まれた。

「うん、ちゃんと指示どおりにやってきたみたいね。感心感心」
「じゃまず、先に着替えてください。メイクしてからだと色々面倒なので」
「この衣装……権利関係などは、クリアしているのか?」
「普通にお店で売ってるんだから、OKなんじゃない?
 それに、劇とかやるわけじゃないんだから一目で白雪姫って判んなきゃ意味ないんだし」
「なるほど、」

事ここに至って抵抗するのも無意味なので、どう見ても世界的に著名なアニメーションの
キャラクターを模したとしか思えないドレスを手早く身につける。
男性用サイズが存在するという事実も驚きだが、それだけニーズがあるということか。
───まあ、女装は定番だからな。
久島は半ば己に言い聞かせ、手ぐすね引いて待ちかまえる
「電理研まつり」担当役改めヘアメイク係一行のもとへと戻った。

しかし髪も顔も普段のまま、衣装だけを着込んだ半端な格好だというのに
姿を現した途端、室内の空気が一変したように感じ肌が粟立つ。
昔コンクールで審査員や聴衆の前に立ったときでも、こんな感覚はなかったように思う。
俎板の上の鯉くらいは覚悟していたが、それどころか狩り場に引きずり出された獲物の心境だ。

「………お手柔らかに」

我ながらぎこちない動きで、鏡の前に座る。

「あれ? もしかして久島くん、緊張してる!?」
「うそー珍しい」
「大丈夫だって、間違いなく美人にしてみせるから!」
「いや、そういう心配をしているわけでは……」
「はいはい、ちょっと黙っていてね。眉カットしまーす」

不意に両脇からこめかみのあたりを固定され、久島は慌てた。
肌だの服だのはともかく、痕跡が残るような加工を施されるとは聞いていない。

「おい待……」
「静かに! 今刃物を使ってるんだから、危ないよ」

万事がその調子で、抵抗もままならず集団の圧力に屈さざるを得なかった。
どう足掻いてみても鏡に映る自分の顔を視界から追い出せず、げんなりする。

「───まさか、この歳で女装とはな……」
「え、なにか言った?」
「そんなことより、久島さんてば本気でキレイ!!」
「でしょでしょーやっぱり私が見込んだとおりだわ」
「いや、あんたが威張ってどうするの」
「とにかく、あとはこのカツラで仕上がりだな?
 今日の打ち合わせもあるし、私はこのへんで失礼する」
「あーちょっとお、」
「久島くん!」

さすがに久島も忍耐力の限界を覚え、わずかな会話の継ぎ目をとらえて
目の前のウィッグをつかみ立ち上がった。
口々に呼び止める声を振りきり、扉の前まで辿り着いたところで一呼吸おく。

「……世話になった」

心がこもっていないとは自覚しながらも、形式的につぶやいて退散した。
後ろ手に閉めた扉の向こうでは何事か叫んでいるようだったが、
耳を塞ぎひたすら研究室を目指して急ぐ。
さすがは男性サイズ、長い裾が足にまとわりつくのがどうにも邪魔で
心理的葛藤を無理矢理に抑え込み両手でつまみ上げた。

「あーあ。そんな大股で、はしたないなあ」

階段に足を踏みだしかけたところへ、頭上から聞き慣れた声が降ってきた。
踊り場に立つ友人の表情は逆光になって見えないが、にやけた笑みをうかべているのは間違いない。

「うるさい。そもそも、このタイミングで待ち構えているということは
 おまえ控え室にいたんだな。どうして助けなかった?」
「いや、そんな命知らずなマネはできないって。それに俺も興味があったしさあ」
「? いったい何がだ」
「久島の白雪姫を見てみたかったんだ」

同じ高さまで上りきり合わせた視線に力を込めてみたが、波留はしゃあしゃあと言葉を紡ぐ。

「……眩暈がしそうだ、」
「そりゃ大変だ、エスコートしてやろうか」
「いいかげん冗談はよせ。───ところで波留、」
「うん?」

久島はすぐ後に続いて階段を上る相手を一瞥し、疑問を呈する。
無地のTシャツにジャケットを羽織った姿は自分と比べるまでもなく
一般的すぎて、仮装イベントにはそぐわない。
だが、先程まで控え室にいたということは波留もまた着替えを済ませているはずなのだ。

「おまえはそれで、何に扮してるんだ?」
「ああ、俺はコレだよ」

言って懐から折り畳んだゴム製のマスクを取り出す。
頭からすっぽり被ると、古い怪奇映画でおなじみの人造人間が現われた。

「なるほど、そういうことか」
「ありがちだけど、おまえに負けず結構ハマってるだろう?」
「『おまえに負けず』は余計だ」

厳しく指摘しつつも、後半部分は秘かに同意する。
がっしりした骨格に加えしっかりと筋肉がついたダイバーの肉体は、
科学者の手によって生みだされた怪人がまさにはまり役と言えた。

それにしても、「電理研まつり」の開始時刻まであまり間がない。
研究発表の打ち合わせをしなければならないのは純然たる事実なので
2人は無駄口をつぐみ、集合場所となっている部屋へ顔を出した。

「遅くなって、すみません」
「おーようやく姫のお出ましだ」

振りむいた先輩一同が目を丸くして息を呑む気配に、背筋が寒くなる。
なんだか嫌な予感がした。

「───まさか、ここまで見事に化けるとは思ってなかったなあ」
「はあ……」
「これで声と背さえなんとかすれば、みんな騙されるんじゃないか?」
「でしょうね。いっそ分担変えますか?」
「ハル~~~!」
「ああもう! 久島、おまえはもう黙れ」
「……はい?」
「そうだ、喋るな。じゃないと、せっかくの白雪姫がぶち壊しだ」

久島としてはぜひとも笑い飛ばしたかったのだが、
詰め寄る目のどれもが真剣味にあふれているため声を発することができない。
結局、なにひとつ口を挟めないままに壇上で発表する係から
脇でスクリーンを操作するアシスタントに換えられてしまった。
───しかも。

「絶対に立つなよ」

厳しく言い渡されて、不承不承うなずく。
腹立ちまぎれにフランケンシュタインを睨みつけたが、マスクに阻まれ効果ははかばかしくない。
それどころか、

「おいおい、目つきが悪いぞ?」

駄目じゃないか姫さま、などと受け流されてしまった。

(……最悪だ)

昨日から、もう何度目かも判らないほど繰り返した愚痴が脳裏をよぎる。
これが夢なら、今すぐにでも覚めてほしいところだった。

  


thread: RD 潜脳調査室 / genre: アニメ・コミック

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