05 <<  1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. 15. 16. 17. 18. 19. 20. 21. 22. 23. 24. 25. 26. 27. 28. 29. 30. >> 07

スポンサーサイト 


--.--.--
--
--:--

  スポンサー広告

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
trackback -- |comment -- | 記事編集

go page top

クリスマス小景3 sweet dreaming 【RD】 


2009.01.16
Fri
07:30

  SSなど

前々回前回に続く3rd エピソード(これで締め)です。

というか今頃クリスマスネタアップなんて、もう笑い話にもならない感じですが…
旧暦ってことにすればいいかも!? なんて思いついた一瞬後に
そもそもクリスマスに旧暦とか、あり得ないだろと自己ツッコミするお寒い事態。
すみません。。。


しかし、こんな痛い運営にもかかわらず何度か拍手を頂き
本当に嬉しかったし励みになりました。
我ながら、すっごくマイナーで微妙な方向に萌えているって自覚はあるから
反応があると幸せになれます。


さて、最終エピソードは>@海の深層からお送りするのですが
今回は特に捏造&ドリーム度が高くて、すこし ふしぎ
ならぬ「さらに ファンタジー」な内容
です。
頭をやわらかーくして読んでいただけることを希望します。

あと、一見NLっぽい雰囲気も醸し出してますが;;
それはないと主張しておきます。
ただ、2人とも好きキャラなんで所々愛が暴走したかもしれないー


それでは、できれば1カ月ほど前の気分でどうぞ↓





ほうっ、と息をついて奏者はヴァイオリンから弓を離した。
静かなる楽の音は潮流にのり響きを増しながら、地上へとのぼってゆく。
──確かな「耳」をもつ者たちのもとへと。

遠目には彼岸花の群れにも見える分子モデルの赤い光に囲まれ、
居心地悪げに腕を組んだ金髪の娘が口を開く。

「どうせ暇なんでしょうから、さらい直すのも一興じゃなくて……
 そう持ちかけたのはたしかに私だけど。まさか、こんなにあっさり
 弾きこなしてしまうとはね。つまらない男だわ」
「それはまた、ご挨拶だな。──しかし、あの旋律の再現には程遠い。
 まだまだ世界には挑むべき命題が残されているようだ」

発言とは裏腹に満足げな笑みをうかべ、手にした楽器の胴をなでる。
若者の姿をとった老科学者の、なお衰えぬ探究心にチャット用AIたる彼女は反応をかえす。

「あたりまえでしょう。たかが人間1人に解き明かされる程度の
 謎しかないようじゃ、世界も底が浅すぎるもの」
「違いない。きみはなかなか楽しい会話相手だな、エライザ。
 どうした? せっかくの聖夜だ、もうすこし寛いだらどうかね」
「……こんな殺風景な空間で『寛ぐ』なんて概念がうかぶほうが、どうかしているわ」

眉をひそめ、エライザは周囲をぐるりと見回した。
頭上に広がる青い揺らめきと埋もれんばかりに積み重なる赤い骨組みの
対照的なコントラストだけをとっても、落ち着く眺めとは言い難い。

「まったく……、理系バカは手に負えないわね」
「なんだ、それは?」
「あなたのかわいい弟子が、妹さんにつけられていた呼称よ。
 師弟そろって似た者同士というか、しようのないこと」
「ふむ……AIのきみが、ここを不快に感じるとまでは思い至らなかった。失礼したね」
「白々しい、」

いじっていた髪をふり払い、エライザは抗議する。
メタリアル内に構築していた彼女の空間を訪れたことがある彼ならば、
好むところも承知のはずだったから。
──こことあそこは、あまりに違い過ぎる。



「そう腹を立てんでくれ。きみには、心から感謝しているのだよ」
「あら、本当に? 今までのおもてなしを見る限り、
 とてもそんなふうには思えないのだけど」
「手厳しいな。では遅ればせながら、誠意の印にお茶を淹れるとしよう」

すると、2人の間に忽然とテーブルが現れた。
卓上にはシンプルな白磁のティーセットがしつらえられている。
慣れた動作によって、紅茶が準備されてゆく。

黒いドレスに身を包んだ娘は、興味津々の面持ちで
器用に動く男の手元を見つめた。

「久島永一朗に手ずからお茶を供してもらえるなんて、光栄だわ」
「さあ、お口に合えばいいのだが」

差し出されたカップ&ソーサーを受け取ったエライザは、
かすかな花の香に微笑んだ。
優雅なしぐさで一口含み、意味ありげな視線を向ける。

「そういえば、ラベンダーの香りでタイムワープする──そんな作品が
 昔あったそうね。あなたは知っていて?」
「たしかに、あったな。何度か映画が……いや、もとは小説だったか」
「もしも自由に時間を旅できるなら、あなたはいつを選ぶのかしら。
 やっぱり50年前? それとも、いっそ一息に76年後?」

もったいぶるように言葉を区切って出された質問にも、
久島は屈託なく応じる。
長い指をもつ片手がひるがえった。

「いや。さしずめ、65年前というところかな。
 もう一度、『海』と出会うところから始めるのも悪くない」
「………あきれた。全部最初から繰り返すつもりなの!?」
「ああ」

一言に揺るぎない意思をのぞかせ、まっすぐな前髪ごしに目を細める。

「私には、どれをとっても掛け替えのない充実した時間だ。
 やり直したり近道をとろうという気になど、なれやしないさ」
「つくづく、たいしたお爺さまだこと──。
 でも、だからこそ話が尽きないとも言えそうね」
「エライザ……?」

彼女はカップの紅茶を飲み干し、そっとテーブルに置いた。
高い的中率をほこる占い師の貫禄そのままに
すまし顔で、かるく見開いた淡い双眸へ告げる。

「あなたらしくない間の抜けた顔ね。どうせ乗りかかった船だもの、
 これからの70年ばかりをお相手しましょうと言ってるのよ」
「待て、同じ相手を2度占わない主義はどうした」
「率先して破らせたくせに、今更殊勝ぶっても遅いわ。
 ──いいから、好意は素直に受け取っておきなさいな。
 意地なんか張っていたら大事なことを見失うんじゃなくて?」
「……何が言いたい、」
「そうね──種明かしなんて不粋なことはしたくなかったのだけど」

笑い含みの流し目をくれてからテーブルに浅く腰掛け、
青く広がる水の向こうまで見通すように頭上を仰ぐ。

「血のめぐりの悪い誰かさんにも解るように教えてあげましょう。
 これは、聖夜の贈り物よ。
 いまの私は単なるプログラムではなく、数々の人間たちの思いも
 取り込んでいると思い出すことね」
「──まさか……」

それだけ言って、久島は絶句した。
わななく手で、左手首をきつく握りしめている。

「ええ、そう。あなたとリンクして伝言を預かったように、
 彼へメッセージを伝えるのと引き換えで託された思いがあった。
 ──だからこれは、私があなたへ興味をもっていると同時に、
 私を形成する一部となった彼の願いでもあるからこその申し出なの」
「ハル……!」

かすれ声が絞り出すように発せられた。

エライザの繊手がのび、こわばった久島の両手をやさしくほどく。
そのまま身を乗り出した彼女は、甘いささやきを耳元へふきこんだ。

「さあ、よい夢をご覧なさい──」


  




場所が場所だけに動きが少なくて、会話だらけになってしまいました。
それにしても、描写がフェチ全開の見苦しさですみません…2人とも好きなんだ!

thread: RD 潜脳調査室 / genre: アニメ・コミック

trackback(0) | comment(0) | 記事編集

go page top

« うっかり泣かされたよ…  | h o m e |  久々にDSつけました 【QMA】 »

コメント

go page top

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

go page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://dfreenote.blog64.fc2.com/tb.php/87-6fc377fb
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

go page top


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。